大阪都構想では、大阪市は廃止され、政令指定都市が持つ都市計画の権限、いわゆる「まちづくり」を行う権限は大阪府に移ります。大阪市域の大型開発はこれまで大阪府と大阪市が協議して実施していましたが、協議も合意もなく、大阪府だけの判断でできることになります。
 
これは大阪のまちづくりや大阪市民にどんな影響があるのでしょうか?
 
▼スピーディーな意思決定ですべて上手くいく?
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大阪市域の大型開発を大阪市と大阪府が協議しながら進めるのではなく、大阪府に「司令塔を一元化」すれば、意思決定のスピードは速くなります。しかし歴史を振り返れば、開発には成功もあれば失敗もあります。司令塔一元化は「失敗に向かって一気に突き進む」というリスクも抱えているのです。
 
現在、大阪市此花区の人工島「夢洲」にカジノを誘致する計画があります。大阪市が廃止されれば大阪市此花区は「淀川・特別区」になりますが、特別区には大型開発の権限も予算もありません。特別区民が「地元にカジノはいらない」と願っていても、大阪府の方針で計画はどんどん進んでしまいます。 大阪都構想で特別区民の支払う都市計画税は特別区税ではなく大阪府税になるため、地元住民の意思を反映した大型開発ができないのです。
 
▼市民に身近な行政はバラバラの迷路状態
 
大型開発の司令塔一元化の一方で、大阪都構想では市民に身近な行政の役所機構は細かく分かれます。大阪市は四つの特別区になりますが、特別区庁舎は新設されず、特別区職員は現在の24区役所と中之島(大阪市北区)の大阪市本庁舎にタコ足配置。住民からすれば「いったい自分とこの役所はどこ?」という状態です。
 
大阪市が一体的に担ってきた行政は、大阪府、特別区に分かれ、さらに4特別区が共同で作る「一部事務組合」に分かれます。介護保険など一部事務組合が実施するものは、各特別区の判断で独自の取り組みができず、4特別区で協議、合意が必要になりスピーディーにはできません。
 
行政がバラバラになるのは、地域のまちづくりにも影響します。例えば、家の近くの道路が傷んで危険な状態だったとします。政令指定都市の大阪市なら国道から市道まで一体管理しているので、区役所や市会議員に訴えればすぐ修繕に駆け付けてくれます。しかし、特別区になると、道路管理は国、大阪府、特別区に担当が分かれ、どこに訴えればいいのかよく分かりません。
 
大型開発はリスク無視で素早く進み、市民レベルの行政はスピードダウン。現在と比べ、どちらがいいでしょう?
 

大阪市はワンチーム
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