大阪市を廃止して四つの特別区に分割する「特別区設置協定書」が大阪府市両議会で承認され、この協定書への賛否を問う住民投票の実施が決定しました。住民投票は2度目であり、今回の協定書には「大阪市が実施してきた住民サービスは維持する」と明記されています。
 
5年前の協定書より良くなったように見えますが、実は裏に「住民サービス削減計画」が隠されているのです。協定書には「罠」が仕掛けられていると言っていいでしょう。
 
▼「改革」と称して市民利用施設を廃止

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大阪市を廃止して設置される「特別区」とは、自主財源が極めて乏しい自治体です。そのため、特別区の財政運営が将来的に成り立つかどうか、大阪都構想の議論の中で「財政シミュレーション」が行われ、「特別区の収支は黒字」と結論づけられました。
 
ところがよく読んでみると、特別区の黒字は「行政改革」とセットなのです。市民プール、スポーツ施設、老人福祉センター、子育てプラザという市民利用施設の「改革効果額」として、段階的な経費削減、最終的に年17億円の削減が盛り込まれています。
 
市民利用施設は指定管理者制度で民間に管理運営を委託しており、既にちまちました節約は限界。年間17億円の削減効果を生み出すには施設の廃止しかありません。
 
市民プール、スポーツ施設、子育てプラザは現在大阪市内に24カ所、老人福祉センターは26カ所あります。これを、市民プールを9カ所、スポーツ施設と子育てプラザと老人福祉センターを18カ所にすると、年17億円削減できます。特別区の「改革」とは市民利用施設の廃止のことなのです。
 
大阪メトロからの収入も能天気なてんこ盛り
 
財政シミュレーションで特別区の収支を黒字とするのに利用した数字がもう一つ、地下鉄・大阪メトロからの税収と株の配当金です。
 
新型コロナウイルス禍で大阪メトロは乗客が激減し、今年度上四半期(4~6月)の営業利益は62億円の赤字、「今後の業績予定は未定」としています。しかし、大阪都構想の財政シミュレーションは、インバウンド好調時に作られた大阪メトロの中期経営計画もとにして、コロナ禍前よりさらに税収と配当金が年71億円に増加した状態がずっと続くことになっているのです。もはや机上の空論と言うほかありません。
 
こんな財政シミュレーションを根拠に、特別区設置協定書に書かれた「住民サービスは維持する」との文言。これ、信用できますか?
 
#大阪市はワンチーム
 
(資料)
特別区設置における財政シミュレーション(一般財源ベース) 2020年(令和2年)8月11日更新版(財シ-27)
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000511466.html
大阪府/特別区設置協定書 (P.4~5)http://www.pref.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/sougouku_tokubetuku/tokubetukuseidoan.html
大阪メトロ/決算資料
https://www.osakametro.co.jp/company/page/om_kessan.php


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