政令指定都市は行政区ごとに市役所の出先機関「区役所」が設置されています。大阪市は24の行政区があるので区役所も24カ所あります。出生届、婚姻届、死亡届など戸籍の届け出を受け付け、住民票の写しなど各種証明書の発行をします。また、福祉、保険、年金など市民サービスの手続き窓口であり、市民が地域の問題について行政に要望する際に対応するのも区役所です。区役所は市民と直に接する行政の最前線なのです。
 
では、大阪都構想で大阪市が廃止されると、市民の身近な役所である区役所はどうなるのでしょう?

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▼区役所は地域自治区事務所に
 
大阪都構想の制度設計では、大阪市廃止後は24行政区を「地域自治区」とし、区役所はそのままの建物で「地域自治区事務所」として存続することになっています。地域自治区とは、市町村の中に設置され、市町村長に属する仕事の一部を行うことができる制度で、大阪都構想では、大阪市廃止後も今の24区役所の機能を維持するのを目的にしています。
 
5年前の住民投票では、大阪市が政令指定都市でなくなれば24行政区もなくなるので、「区役所がなくなって不便になる」と心配して反対した市民が多かったため、現在の制度設計は「区役所の存続」を強調しています。地域自治区事務所という言葉は大阪市民に馴染みがないため、名称は「区役所」とすることも決まっています。
 
▼特別区は区役所を維持するには職員が足りない
 
しかし、大阪都構想の「区役所の存続」は、形だけであって中身が伴っていません。職員数が足りないのです。大阪都構想では、大阪市を廃止して人口約60万~約70万人の四つの特別区に分割します。そこで大阪市の近隣中核市6市の職員数から、特別区の職員数を約2400人~約3100人とはじき出しました。この職員数のうち3~4割の職員が区役所(地域自治区事務所)の業務にあたります。
 
出先機関にこれだけ多くの職員を配置している自治体はありません。「大阪都構想で市民サービスは低下しない」と市民にアピールするため、特別区の職員配置は区役所業務に偏っており、役所全体としては職員数が足りず、業務が回らない構造になっているのです。
 
特別区の職員体制はスタート時点から「人手不足」です。いずれ、市民窓口は次々に閉鎖され、「あれ? 区役所はどこに行った?」という事態になるでしょう。


大阪市はワンチーム
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