今年5月の大阪市議会では議員から「大阪市の財政調整基金はいくらあるのか」という質問が相次ぎました。なぜかと言えば、財政調整基金とは災害などで行政が突発的に大規模な支出に迫られた時に備えて用意している地方公共団体の「貯金」だからです。議員の質問は、新型コロナウイルス禍で、市民生活が大打撃を受けた今こそ、大阪市の財政調整基金でしっかり支える時ではないかというわけです。
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▼大阪市の財政調整金はまだ1100億円ある
 
大阪市は新型コロナウイルス対策として学校給食費を無償化し、さらに補正予算を組んで財政調整基金を276億円拠出しましたが、今年度末の残高はまだ1100億円あります。100年に1度と言われる感染症被害の中、大阪市は財政調整基金を出し渋っています。全国的にみても、これほど多額の「貯金」を持っている市町村は例がないのです。
 
▼大阪都構想や万博がコロナ対策の足かせに
 
新型コロナウイルスの感染拡大前から、大阪市は巨額の支出を要する施策を進めています。大阪湾の人工島「夢洲」(大阪市此花区)を会場とする2025年の万博では、パビリオンの建設費1250億円のうち、大阪市負担分の200億円は財政調整基金をあてる方針です。
 
大阪市を四つの特別区に分割する大阪都構想は、大阪市が廃止されて特別区になった後、税源の乏しい特別区の財政難に対応するのは大阪市から引き継いだ財政調整基金です。そもそも「大阪市廃止、分割」にはシステム改修費などで初期コストが241億円、分割コストの発生で行政運営経費は今よりも年30億円アップすると試算されています。

コロナ禍で「国難」と言われる事態になっても、松井一郎・大阪市長は大阪都構想の変更、中止はないと言明しています。大阪都構想や人工島での万博に百億円単位の金がかかるのですから、コロナ対策で大阪市の財政調整基金を手放したくないというのが松井市長のホンネではないでしょうか。
 
#大阪市はワンチーム